健康な食生活については、岡田正彦名誉教授(新潟大学)の「ほどほど養生訓」(岡田正彦著[日本評論社、2007年])が参考になります。野菜と果物に含まれる抗酸化物ががんの予防に有効なので、私は毎日野菜をお茶碗より大きめのカップ一杯とリンゴ一個を食べるようにしており、その他の果物も意識的に取るようにしています。
塩分摂取量が増えるにつれ、胃がんによる死亡率が上がり、高血圧を引き起こします。食品で血圧を下げるポイントは、塩分を可能な限り減らすこととカリウムとカルシウムを多く摂ることです。まずは、醤油、ソース、ドレッシングの量は意識的に少なくする必要があります。ドレッシングは、抗酸化作用のあるゴマ入りが推奨されます。
また、カリウムを多く含む わかめ、味付けのり、まいたけ を食べるように努めており、わかめスープとまいたけスープを好んで飲んでいます。効果と自分の嗜好を考えながら食材選びをすると、楽しく健康が維持できます。
2021年のデータによると、日本人の死因は 悪性新生物(がん)26・5%、心疾患 14・5%、老衰10・6%が上位3位で、全体の半分以上を占めています。第4位脳血管疾患7・3%、第5位肺炎5・1%、第6位誤嚥性肺炎3・4%、第7位不慮の事故2・7%、第8位腎不全2・0%、第9位アルツハイマー病1・6%と続きます。
第2位の心疾患 である心筋梗塞 とは、心臓に栄養を運ぶ冠状動脈にコレステロールがたまり、詰まってしまった状態です。
コレステロール値(特にLDLコレステロール値)が高い体質の人は、心筋梗塞を起こしやすいので、LDLコレステロール値に注意が必要です。第4位の 脳血管疾患 である 脳卒中 は血管が詰まって起こる脳梗塞と、血管が破れて起こる 脳出血 がありますが、高血圧 が原因です。眼底の血管は、血糖値が高いと出血が起こります(眼底出血)。
第1位のがん細胞が血液中に流れ出て、血管の壁にくっつき、先々で増殖を始めるのが転移です。このように、血管の病気が死因に大きく影響しているのです。健康のためには、脂質異常症、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病にならないことに留意する必要がありますが、生活習慣病は予防可能な病気なのです。
いつも甘いものを食べている、塩分を摂りすぎている、タバコを吸っている、運動をしない、ストレスをためているなどが、病気を起こす生活習慣として知られています。病気予防のためには、糖質制限、減塩、禁煙、運動、ストレスフルな環境をつくらないことが重要なのです。
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