第3章 ケガの予防・日常の中に潜む危険
大人になると、「サッカーをしていてタックルを食らって打撲(だぼく)」とか「バク天に失敗して肩から落ちて脱臼(だっきゅう)」ということはあまり起きません。年齢が上がってからの突然の痛みは、日常のちょっとしたことが原因で出現するケースがほとんどです。そしてある程度予防ができます。この章では、日常に潜む危険と、思わぬ事故によるケガをどうすれば防止できるのかを解説します。
つまづき
最近つまづきやすくなったなと思いませんか? つまづくときは駐車場の輪留めにうっかり引っかかってしまったというようなイメージがあると思いますが、実際の転倒はもっと身近なところで起こります。タイルの目地、畳の縁(ふち)、カーペットのへり、ふすまや障子のしきい、マンホールの蓋などなど、普段取り立てて意識しない、一センチにも満たないごくわずかの段差です。そんなわずかな段差で転倒する理由は、大きく二つに分かれます。
①猫背になってしまうこと
第2章「猫背は衰えのもと」で触れましたが、猫背になると膝を上げにくくなるうえに、うつむきがちで視野が狭くなるので自然とつまづきやすくなります。また大股で歩くと自然とつま先が上がりかかとから着地しますが、小股でちょこちょこ歩くと足裏全体で着地するため、つま先が上がりづらくなります。すり足状態になるわけです。つま先が上がっていないとほんのちょっとの段差でも引っかかって転倒します。常日頃から背筋を伸ばし、きれいな姿勢を意識して大股で歩くことが重要です。
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