第2章 姿勢について
猫背は衰えのもと
直立したときの正しい重心は、横から見たときに耳・肩の真ん中・腰の中央・くるぶしが一直線になっている状態といわれています。実際やってみると後ろにそっくり返ってしまうかもと思うくらい、後ろに重心がかかっていると思うはずです。
そのくらい現代人は前重心で暮らしています。少し猫背でいることが標準状態になっているので、背中も腰も丸まった状態、そのままだと前を見られないので顎を突き出して顔を前に上げた状態になる。巻き肩になる。そのため、首や肩が痛くなります。
姿勢を正すには誰かが横で見てくれているといいのですが、お互い姿勢の悪さを指摘し合うのは難しいので、立ち姿勢のときに腰を少し前に押し出すようにしてみましょう。人間の腰椎(背骨の腰部分)は生まれつき前弯していますが、この前弯は猫背状態だと逆向きに丸くなってしまいます。腰を前に出すようにすると人間の構造上猫背になることができません。自然と背筋を伸ばし、胸を張った姿勢になるはずです。
毎日ずっとその姿勢をすると疲れてしまうので、通勤通学途中の電車の中、待ち合わせのとき、食品がレンジで温まるのを待つ間、歯磨きをしているときなど、日常のちょっとした隙間時間で試してみてください。続けるうちに習慣ができてきます。
【対策】
⃝猫背予防のストレッチ
バスタオルをくるくる丸めて円筒を作り、首の付け根の後ろの出っ張った骨(隆椎(りゅうつい))のあたりから縦に背骨に当たるように仰向けに寝ましょう。ストレッチポールを持っている方はそれでも大丈夫です。長いストレッチポールの場合はお尻が乗るように座り、ゆっくり仰向けに寝ます。左右の肩を床につけるイメージで胸を開き、力を抜いて五〜十分のんびりしましょう。
じわーっと背骨が伸びる感覚を感じるはずです(瞑想(めいそう)をする、フェイスパックをするなどの毎日のリラックス習慣がある方は、一緒にしてしまうといいでしょう)。
ただしここで注意が二点。長くても十五分以内にやめましょう。あまり長時間だと腰を痛める可能性があります。また、うっかりそのまま眠ってしまわないようにしましょう。寝返りを打ってしまいバスタオルが変な位置に挟まって逆に予期せぬところが痛くなる可能性があります。