第1章 自分の特徴は自分でもなかなか把握できない
予備校の効率的な受験勉強法に集中した/浪人時代
実は、東京で私立の寮に入り、S予備校に通うことになった。この予備校では入学試験があり、その成績順にクラスが振り分けられる。志望校に落ちたばかりであまり試験の結果に自信はなかったが、理科系予備校生約2000人の最上位クラスで、200人いるうちの130番目くらいの成績であった。
この予備校では、毎年、約700人が東京大学に合格するので最初から東大合格確実圏であった。そして、テストの成績順に並ぶ隣の席には、開成高校、麻布高校などの有名私立高校卒業の学生が座っていることに大きな違和感を覚えた。
現役時代、まったく歯が立たないだろうと勝手に思い込んでいた学生と肩を並べていたのだ。ここで初めて、高校時代の無謀ともいえる努力が無駄ではなかったことに気がついた。受験直前には、予備校全体で80番程度に成績は上がっていた。
やたらといろいろな教材に手を出した高校時代の勉強法を大いに反省し、予備校から提供される教材のみの予習と復習を毎日徹底的に繰り返した。現役時代の予習中心の勉強法から、予習、復習を徹底する勉強法に変えたのは浪人時代からであった。
数学、英語、現代文、古文はともかく、物理と化学は授業時間が少なかったので、ほかの教材に手を出す強い誘惑にかられたが、それを振り切って教材の予習と復習だけに絞った。