〇パルテノン神殿

プロピュライア(前門)をくぐると、右手前方に勇姿を現すのが、新パルテノン神殿 です。

ペルシア戦争で工事が途絶した古パルテノン神殿(その礎石がパルテノンとエレクテイオンの間に残っています)に代えて、ペリクレスによって建てられました。パルテノン神殿が着工されたのは前447年のこと。前438年には祭神像が納められましたが、最終的に破風(はふ)彫刻まで完成したのは、前432年のことでした。

名匠フェイディアスの指揮・監督のもと、イクティノスによって設計されたと伝えられ、すべて郊外のペンテリコン山から切り出された大理石(推定約3万トン)が使用されています。

中央に膨らみのあるエンタシスの円柱は、東西の面に8本ずつ、南北の面には17本ずつ周柱式に配されており、基壇上部の幅は30.88m、長さは69.53mを測り、円柱は10.43mあります。

神殿の外側は重厚なドーリス式ですが、内陣の外壁にはイオニア式のパンアテナイア祭の行列を描いたフリーズ(浮彫り)を持つなど、優雅さを加味しています。また、東のペディメント(破風)には、アテナ生誕の場面、西のペディメント(破風)にはアテナとポセイドンの争いが浮彫りにされていました。