第一章「人生100年時代」の 到来
(1)「人生100年時代」を楽しむヒント
●台湾におけるセカンドライフのとらえ方
また現代においては、台湾のセカンドライフのとらえ方が参考になる。この事例はより具体的であり、特に我々の日々の暮らしに即活用できるものも多いように思う。
まず言えるのは、台湾の人たちの「セカンドライフ」についての考え方である。
日本の場合、セカンドライフと言えば、ほぼほぼ定年後(60~70代)を意味する。しかし、台湾では多くの人が子どもの一人立ちするタイミング、つまり40~50代を区切りとして考えているといわれている。
そして、セカンドライフを有意義に過ごすために、自分にとっての新たな役割や趣味などを真剣に考え、その下準備に時間をかけて取り組んでいる。
さらにはこうした動きを社会全体で後押ししているという。
まずはその前提から、日本と決定的に異なっていることに注目すべきだろう。
そういう背景もあってか、「余生を全力で楽しもうとする」「楽しく、ムリなくみんなの欲求を共存する」のが台湾のスタイルである。
高齢化についての基本的な考え方は
①役割を持つこと
②身体を動かすこと
③新しい力を身に付けること
④人とコミュニケーションをとること
の4つである。
この4つの積み重ねが、心豊かなセカンドライフを育み、健康寿命延伸につながると考えられている。