楽しい大学生活

そしてゼミが決定したその日。

私はまたしても驚いた。地学を選んでいた同級生の多くが、植物ゼミに来ていたからだ。私が気になっていた男の子もである。

その中の一人になぜ地学をやめたのかを聞くと、ご飯を奢ってくれるのはいいものの、授業内容がとても厳しく、毎日夜遅くまで残るらしいことを知ったからだという。

なんてことだ……。

そうしてゼミ生活は始まった。私は誰よりも積極的に質問し、フィールドワークに出るときも、誰よりも教授に近づいてその教えを受けた。

鹿児島ではなかなか見ることのないフタリシズカ、面白いところに実をつけるハナイカダ、図鑑でしか見たことのない植物を見られて幸せだった。

教授も、私の熱意に応えたのか、「地元の教育委員会が行う巨樹探しに参加しないか」と誘ってくれたりもした。

私は喜んで参加し、秘密のカタクリの自生地を紹介してもらったり、巨大な栃の木を探して山に入ったりした。

山の斜面にひっそりとそびえ立つ栃の巨木は、それだけが圧倒的に太く、今も心に残っている。

幹周りを数人がかりで計測した。

登山も少しではあるが楽しんだ。

登ったのは低山ばかりだったが、山梨の山はどこも素晴らしい。

好みのナラ類の林も豊富にあり、標高が上がると遠くに富士山も見える。素朴なコナラ林の向こう、連なる山々の彼方に姿を現す富士ほど素晴らしいものはない。