楽しい大学生活

二年生になると、ゼミの選択が始まった。

私は迷うことなく自然科学の植物学ゼミを選択した。私は理系の頭はからきしなく、大学で属していたのは文学部の中の初等教育学科。

でも初等教育の理科のゼミを選べば、植物について少しでも学ぶことができる。内容も理系の専門的な分野ではなく、あくまで初等教育の範囲内なので、どうにかついていけるのでは、と思ったのだ。

とにかく植物と関わっていたかった。しかも担当教授は部活の顧問の先生だ。選ばない理由はない。

迷うことなく第一回目の希望アンケートに「植物ゼミ」と書いて提出した。

ゼミを正式に選ぶ前には、地学、化学、植物学、と一応一通りそれぞれのゼミを体験する授業がある。

それぞれ授業で出された課題をクリアしないと、帰ることはできない。

まず化学の授業で、はなから私はつまずいた。数字に弱い自分には、ちんぷんかんぷんの課題だった。

同級生が、次々と式を解いて正解して帰っていく。私は泣きそうになりながら、最後は化学の教授に教えを乞い、どうにか終わることができた。

次は地学である。地学では、あらかじめ数ミリにカットされている岩石をさらに研いで、向こうが透けて見えるくらいに薄くし、それを顕微鏡で観察する、という課題だった。

力のある男子たちは、次々に石を薄くして地学の教授に合格をもらい、帰っていく。

ここでも私は落ちこぼれだった。研いでも研いでも、石はなかなか薄くならない。

運動経験の乏しい私に腕力はない。

このくらいでいいだろう、と思って教授のところへ石を持っていっても、「うん、まだだね」と言って突き返される。

一人、また一人と帰っていく同級生を横目に見ながら、ひたすら石を研ぎ続けた。またしても泣きそうになりながら。

合格をもらったのは、あたりがすっかり暗くなってからであった。

地学も化学もあり得ない。やはり植物だ。