ここでは、教師が子どもの「ふわふわだったら音出ない」「弾力あるからいいけど……」という発言を聞き取れていませんでした。もし対応できていたら、素材についての話題をさらに広げ、複数のマレットを提示する好機であったといえるだけに、残念であるといえます。
教師:ほうほう。じゃあ、そういう音が出るか試してみるよ。いきます→
児童:うわっ(耳を塞ぐ子がいる)→
教師:今、耳塞ぎがちな子がいるけど、どうして?→
児童:うるさい→うるさくありません→
教師:うるさくない? うるさいとだめなのかな→
児童:いや、そういうわけじゃないけど、我慢すれば→そういう楽器→
教師:そういう楽器? うるさいってどういうこと?→
児童:えっと、音が大きすぎる→いっぱい響く→遠くまで響く→
教師:でも、音が大きいってことは賑やかだからいいんじゃない?→
児童:うーん、いいことだけど→大きい音が苦手な人もいるのかな→
教師:じゃあ、ここで叩いたら迷惑になっちゃうのかな→
児童:苦手な人もいる→叩いてほしい。取りあえず
響きと音量の違いが明確でないことが読み取れます。直前の発言から、音量についてよりも「遠くまで響くことはいいことではないのか」等、響きに関連して切り返せば、より深い学びになった可能性があると考えられます。
音の「強弱」と「大小」は異なります注2が、分かちがたく関係もしています。続いて、先の【図6a】【図6b】に関わる、シンバルの音の出し方についてみんなで考える展開です。