第1章 自分の特徴は自分でもなかなか把握できない

新たな環境のなかで小さな気づきが増える

楽しい&つらい思い出/小学校時代

このときの「つらい経験」で、実は自身がやりたくもないことを強制されると、どのような精神状態に追い込まれるか、いやというほど経験した。体が重くなり、動作も緩慢になる。そして、 頭がぼんやりしてくる。

それまでに「経験したことのない気だるさ」が体全体を覆った。クラブ活動をさぼることも何度か出てきた。

あの合唱クラブがもう少し続いていたら、登校拒否になっていたのではないかと思うくらいだ。それほど、小学生の実には合唱クラブの経験は、耐えきれないほどつらい思い出になった。

後年、会社で管理職になったときにも同じような「経験したことのない気だるさ」を感じることが何度もあった。同じ言葉が使えるほど、小学校時代の感覚と似ていたからだ。

小学校時代の経験から、このような精神状態から脱却するには、その環境から逃げ出すか、新たな挑戦を積極的に行うしか解決策はないと考えるようになった。

学業に目覚め、全国を意識しはじめた/中学校時代 

地元の公立中学校入学と同時にサッカー部に入った。小学校時代の体育でサッカーが一番楽しかったからだ。

当時のサッカー部は1年間ほとんど休みなしで練習を行い、毎日、汗と泥まみれで疲れ果てて家に帰るので、夕飯後はあまり勉強をせずに寝てしまっていた。しかし、サッカーの基礎や戦術を教えてくれる指導者がいないこともあり、お世辞にも強いチームとはいえなかった。