【前回の記事を読む】白だし、塩、ところてん…マニアが語るおいしさや食べ方がここに

海老(えび)満月

ウチの旦那の仕事の関係で、大阪府枚方(ひらかた)市に住んでいた時、京都が近いので京阪電車に乗って、よく遊びに行った。お決まりのコースは、四条で降りて「いづもや」で鰻を食べ、錦町市場の「ぢんとら」でスハマ団子を買い、四条大橋の袂に()った駄菓子屋で白花豆の甘納豆と海老満月を買って帰るというものだった。

駄菓子といえども、さすが京都、海老満月の一枚一枚には本物の桜海老がデンと乗っていた。ウチの旦那も私も海老満月が大好きで、今でも箱買いするほど。

しかし、この海老満月で私はかなり悩ましい思いをさせられている。大分市で本物の桜海老を使っている海老満月を見たことがない。ネットショップを覗いてみるが、なかなか見つからない。ついこの間迄は、楽天市場で、あるメーカーの海老満月を切らさないで箱買いしていた。

何枚かに一枚という割で、本物の桜海老が乗せてあるのが魅力だったのだが、しかしだ。今やその会社も本物の桜海老を使うのを止めてしまい、とうとうオキアミだけになってしまった。

桜海老の値段は、著しく高い。駿河湾のものなら20gで800円以上する。韓国産でも駄菓子に使うには高すぎるだろう。それでも、どこかに本物の海老満月が売られていないだろうかと探し続けていたら、同じ楽天に「磯満月」というのがあった。今まで購入していたものに比べると丁度倍くらいのお値段だ。思い切って注文してみると、昔ながらに一枚一枚、桜海老を几帳面に乗せた、本物の海老満月だった。

私がホクホク顔になったのは、もちろんのことだ。