知世は、固い表情を崩さずに、机に向かって手を組んでいる。知世には、これからの旅館のあるべき姿が頭では理解できているものの、過去の茜屋への愛着やお客様との思い出、そして誰より自分が女将として茜屋の過去も未来も守らねばならないとの強い責任感から、なかなか新しい世界に踏み込めない戸惑いがあった。高志が溜息をつきながら、頑なになっている知世を見つめる。それまで殆ど意見が一致していた設計について、ついに夫…
温泉旅館の記事一覧
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小説『あわら温泉物語』【最終回】笹岡 一彦
新館設計での意見の衝突、火災のショックとストレスとが重なり妻が失神!顔面蒼白な妻の顔を見て密かにあるものを用意し…
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小説『あわら温泉物語』【第17回】笹岡 一彦
旅館の焼け跡前でチャリティーコンサートを開催。ジャズとサンバなど多様な音楽に延べ約500人以上から投げ銭が!
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小説『あわら温泉物語』【第16回】笹岡 一彦
福井県を代表する化学会社「日華化学」を設計した建築家に新館設計を依頼。焼け落ちた旅館の解体現場を見て…
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小説『あわら温泉物語』【第15回】笹岡 一彦
旅館再建まで2、3年。その間従業員25名をどうするか…「女将の会」で相談すると思ってもみなかった提案に…
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小説『あわら温泉物語』【第14回】笹岡 一彦
「地域産業(温泉)の育成と発展」を企業理念とする福井銀行。旅館の再建を宣言する父子にともに汗をかくと後押し
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小説『あわら温泉物語』【第13回】笹岡 一彦
「僕は長男として必ず七代目を継ぎます! だから、皆で再建しよう!」家族の絆が強まった一生忘れられない夜
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小説『あわら温泉物語』【第12回】笹岡 一彦
「お父さんたちは今、社長として女将として、どう考えてるの?」六代続いた伝統ある旅館。再建か廃業かで揺れ動き…
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小説『あわら温泉物語』【第11回】笹岡 一彦
大切なものを焼き尽くした苛烈な「赤」が脳裏を襲う。残酷なフラッシュバックは明け方まで続いた…
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小説『あわら温泉物語』【第10回】笹岡 一彦
「あぁ……何ということ……」真っ赤に燃え盛る旅館を前に全身を震わせながら半狂乱になって泣きわめく女将
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小説『あわら温泉物語』【第9回】笹岡 一彦
「か、火事だ! 火事だー」燃え盛る旅館に対し360度から放水。この時全33台の消防車が出動した
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小説『あわら温泉物語』【第8回】笹岡 一彦
大雪でJR北陸線の特急列車が立ち往生!あわら温泉の全旅館が送迎バスを出して乗客の救助に向かう
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小説『あわら温泉物語』【第7回】笹岡 一彦
あわら温泉の新名物「女将の酒」完成お披露目会開催!大好評となりオリジナル商品ではダントツの売上げに
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小説『あわら温泉物語』【第6回】笹岡 一彦
あわら温泉旅館組合の「女将の会」。利き酒師の資格をもつ女将たちによる『女将の酒』作りが始動!
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小説『あわら温泉物語』【第5回】笹岡 一彦
「あわら温泉屋台村 湯けむり横丁」の六店舗が先行開店しプレオープン!温泉客は浴衣に下駄履きで連日連夜大賑わい
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小説『あわら温泉物語』【第4回】笹岡 一彦
「湯けむり創生塾」による「湯けむり再生プロジェクト」が始動!メインとなる『屋台村』の建設費が足りない!?
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小説『あわら温泉物語』【第3回】笹岡 一彦
新たな計画「ゆけむり創生塾」老舗・茜屋はあわら温泉活性化のため、全面協力!
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小説『あわら温泉物語』【第2回】笹岡 一彦
多くの著名人に愛されてきた温泉街 先代である父の思いを継ぎ、思い描く10年後の新たな温泉街の姿
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小説『あわら温泉物語』【新連載】笹岡 一彦
地震や大火から不死鳥のように蘇った「あわら温泉」温泉街の発展に若手経営者が声を上げる!