なだらかな坂を登りきり峠に至ると、一気に視界が広がり、南に口を開けた入り江を囲む集落と、西陽に光り輝く海が眼に入ってきた。「やはり任那(ミマナ)は良いなあ」若者は声を上げながら右袖で額の汗をぬぐい、竹筒の水を一口ぐいっと飲むと、両手を高く挙げ腰を軽く伸ばした。この男、背が高く体躯もがっしりとしており顔も幾分厳つく、そして長旅のせいか髯も伸び始めている。ただ、海を見つめている眼差しは涼やかでわずか…
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