ある場末の古びた居酒屋に、小柄な若い男がうつむき加減で入ってきた。その男の表情は暗く、悲壮感さえ漂っていた。その男はカウンター前の丸椅子に座ると、しばらく考え事をしていた。ふと店内の塗装の剥がれた柱時計を見て「あれ? 僕の腕時計が十七分進んでるな」と言った。するとカウンター奥に立っていた頬髯を蓄えた店主が「すみませんねえ、お客さん。この時計は年代ものでよく遅れるんですよ」と言った。「じゃあ、僕の…
短編集の記事一覧
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小説『令和晩年』【第17回】西野 篤史
仕事のときゃ、兄貴じゃなくてナンバー44と呼べ
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小説『令和晩年』【第16回】西野 篤史
どうしても僕は、彼のことを好きになれなかった。
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小説『令和晩年』【第15回】西野 篤史
一枚の紙きれが、 僕のその後の人生を大きく変えた。
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小説『令和晩年』【第14回】西野 篤史
悪人は結局、良い人と友達にはなれない
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小説『令和晩年』【第13回】西野 篤史
偉い人が言っていることが必ずしも合っているとは思わない
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小説『令和晩年』【第12回】西野 篤史
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小説『令和晩年』【第11回】西野 篤史
普通の人なら正義は正しいと、本心でなくても言うものである
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小説『令和晩年』【第10回】西野 篤史
居間で父と母が夫婦喧嘩している声を聞きながら歯磨きをする
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小説『令和晩年』【第9回】西野 篤史
僕は今、どこも悪くないのに病院にいます
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小説『令和晩年』【第8回】西野 篤史
みんな僕を匿ってくれたので、意外と簡単に逃げられました
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小説『令和晩年』【第7回】西野 篤史
静かで淑やかな人が良かったのに、最近は元気でおてんばなほうが良い
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小説『令和晩年』【第6回】西野 篤史
僕は美男だったけれど、正義感に欠けている
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小説『令和晩年』【第5回】西野 篤史
罪とは、正義が正義を傷つけることである
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小説『令和晩年』【第4回】西野 篤史
俗な人は今のルールに疑問を持つほど頭は良くない
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小説『令和晩年』【第3回】西野 篤史
欠点を美点として生きていく。そんな生き方もあるのだ
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小説『令和晩年』【第2回】西野 篤史
私の力を使えば、いじめをなくすことは容易だ
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小説『令和晩年』【新連載】西野 篤史
なぜお前は嘘をついたのだ。