引きこもりの人生相談

山にこもって八日目。天気は雨だった。

その日は部屋の掃除をした。天井にあった小鳥の巣はもちろん、蜘蛛の巣などはそのままにしておいた。掃除が終わり、またいつものように人生について悩み、夜になると寝た。

その夜、僕は夢を見た。昔、自分がいじめられていた夢である。

人が人を傷つけるということは、正義が正義を傷つけるということである。正義とはその人の生まれてきた意味である。なんと残酷なことであろう。人間以外の生き物にはこんなことはない。僕ははっと目が覚めた。

山にこもって九日目。外を見ると雨だった。そ

の日、僕は人の本性とは本当に善なのかと疑問に思い、それについて悩んだ。やはり人間はほかの生き物と比べて、悪い生き物だ。しかし僕のように人を傷つけないような人間もいる。きっと人の本性が悪であることは事実なのだが、正しい道を進めば、誰でも正しい人になれるのだ。

山にこもって十日目。天気は珍しく晴れだった。

その日も僕は悩んだ。悩めば悩むほど考え方がころころ変わる。実は人の本性は善なのではないかと、僕は疑い始めた。一日中悩んだ結果、ある結論に至った。正義が正義を傷つけているのは醜いが、その傷つけられる正義が美しいから醜いのではないか。美しい正義を持っている人間は良い生き物だ。