母さんは帯を二度引っぱると、結び目をたしかめるようにポンとたたいた。「さあ、ウルトの城で一生分踊っておいで。そしてちゃんと帰って来なさい」「行って来ます。糸つむぎは明日やるからね」さあ、いよいよ出発だわ。待ち合わせの十字路までかけつけると、白樺の下に腰をおろした。なあんだ、まだだれも来ていないじゃない。汗ばんだ首すじに、水路から吹いてくる風が気持ちいい。「あれえ、ミラン」振り向くとオジイが立っ…
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小説『オーラ!テングリ・オーラ』【第4回】新高 なみ
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第7回】芦沢 誉明
すがりつく老人を心を込めて抱きしめ、外へ出ようとすると…
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小説『小節は6月から始まる』【第8回】青山 太洋
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小説『乙女椿の咲くころ』【第8回】倉田 裕美
二度目の妊娠も…「胎児の心音が聞こえなくなった」その結末
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小説『アフターメッセージ』【第3回】北部 祐和
亡きパパからのメッセージ「ずっと後悔してた…ごめんね」
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小説『海が見える』【第2回】西野 民彦
クラシック音楽をめぐって「冗談じゃない!」と激怒したワケ
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小説『オーラ!テングリ・オーラ』【第3回】新高 なみ
「一生踊り子やりたい。できるかな?」と娘に言われた母親は?
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小説『遥かなる花』【第7回】佐々木 祐子
ほっとすると同時に…「父親」の気持ちとは複雑なものなのだ
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小説『乙女椿の咲くころ』【第7回】倉田 裕美
学生運動の嵐…ブラウン管の中のデモ隊の列に、兄や弟を探した
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小説『思い出は光る星のように…』【新連載】伊久 美子
その日までみんなみんなまっててね…ぼくと「どんぐりの木」
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小説『怨み・ハラスメント』【新連載】船長
闇の非合法サイトに届いた一つの投稿…その驚くべき内容とは?
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第6回】芦沢 誉明
子供の時以来耳にしたことがない自分の名前…なぜ知っている?
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小説『小節は6月から始まる』【第7回】青山 太洋
時給以外にも、何かを求めたりしてねえよな…バイトの答えは?
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小説『乙女椿の咲くころ』【第6回】倉田 裕美
金木犀の香りに接すると思い出す…十六歳、高校一年生の初恋