待ち合わせをしているのは知之だ。時間はさらに過ぎていく。知之はまだ来ない。「ふ~っ」とため息をつく史。何かあったのかもしれない、連絡をしてみた方がいいかもしれないなと思っているところに、スマートフォンの振動音がした。知之からのメールである。「今日は会えそうにない、病院を受診してるんだけど思いのほか時間がかかってる、ごめん」という内容に史は明らかに狼狽した。「病院を受診? それって何? 大丈夫なの…
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小説『第二ボタンいただけますか』【第5回】福岡 富子
「なんでこの俺が?」突然自分の身に起きた不幸なできごとに打ちひしがれて…
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小説『夫 失格[人気連載ピックアップ]』【新連載】時亘 一肇
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小説『同じ名前の鳥が鳴く』【最終回】なつきめい
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小説『いつか海の見える街へ』【第14回】須賀 渚
「雲がきれい」とつぶやく娘の声で突然居酒屋の女将を思い出し…
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小説『オレンジ病棟』【第15回】朝丘 大介
病室の入院患者みんなが一斉にバッシング。看護師の悪口で患者の心がひとつとなる瞬間
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小説『維新京都 医学事始』【第20回】山崎 悠人
京都の敷居高い料亭で行われた医学教師の歓迎会 高まる文明開化の象徴、医学の発展への期待感
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小説『光と闇の相剋』【第15回】髙嶋 郷二
半醒半睡……この状態の時にいつも不思議な事象に逢着する 気が付くと多勢に無勢の餓鬼の群れが姿を現し…
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小説『乱世、一炊の夢』【第8回】安藤 恒久郎
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小説『ノスタルジア』【第24回】森下 修作
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小説『ジュピターと仲間達 Jupiter & Friends』【第7回】ジェフリー 樫田
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小説『赤い靴』【第8回】高津 典昭
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知らず識らずのうちに骸骨のことを秘密にしていく方向を辿っていく院長
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小説『善悪の彼方に』【第10回】叶浦 みのり
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