母親の死と前後する頃から現在に至るまで、「死んでしまった肉体」というような具体的で有形のものから出てくる「死」の事実であれ、抽象的概念としてのものであれ、「死」という観念は来栖の中に定着し、今日まで生き続けている。それに加え、自身も含めて一人一人早ばやと死の時を迎え、家系の者全ては死に絶えていくのではないだろうか、という予感めいた思いまで覚えるようになった。さらに母親の死後三年ほど経った頃、末っ…
小説
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