セットリストNo.2(第二章)

18 One More Night–Phil Collins

ソファに、体をあずけて完璧な、リラックスモードにはいったとき、コンコンとドアがノックされた。

「なぁに?」

返事をするとドアが開いて、顔を出した見習いDJの理恵子が、「チーフに、お電話が入ってます」と言った。翔一は、ちょっと座り直して「おー、サンキュー」手渡された受話器を受け取る。

「もしもーし、翔一だよ」
「俺、新二。今さぁ六本木にいるんだけど、ちょっと出てこれない?」
「いいよ、どこにする?」
「じゃぁねぇ、チャーリーズカフェにいるから」
「OK、わかったすぐに行くよ」

翔一はサングラスをかけながらDJブースへ出て、

「ちょっと、出かけてくるね」

受話器を渡しながら山崎に言った。チャーリーズカフェは、オープンテラスのカフェ。

ロイビルの裏手、六本木駐車場の隣にあるお店、歩いて5分もかからない。その場所に近づくと、テラスのテーブルに座る新二と、見覚えのない女性の姿が見えた。

「久しぶりに来たけど、さすが日曜日、人が少ないよね」
「道が、歩きやすいから俺なんかは、助かるけどね」
「土曜日の六本木は、ハンパじゃないもんねー」

新二が言った。

「うん、昨日なんかキューのゲスト、12時からだったんだけどさ、20分前に、My Points出たのに5分前だよお店に入れたの」
「それは、大げさでしょう?」

新二は笑いながら言った。

「そーかなぁ」
「翔ちゃん、もしかして一服してきた?」
「軽くね」