「えらいロマンチックな貝殻を拾たんやなぁ、俺のがらになく」と貝殻を手に取ってハルが言った。「私たちの結婚のお祝いやね」とトモは嬉しそうだ。そして2人はくっついてキスをした。大きな窓に真っ赤な夕日が海の地平線に沈んでいくところだった。この時トモは20歳、ハルが27歳だった。こうしてめでたく2人が夫婦(めおと)になり、姉サエと私ルリ子そして弟の浩太郎の3人が生まれた。***ハルとトモが結婚して3年が…
[連載]海のように深く、大地のように温かい
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小説『海のように深く、大地のように温かい』【第7回】天馬 ときわ
家族が営む鮮魚店。週末の宴会場は満員御礼の大忙し。厨房では、4歳の娘までもが大切な労働力!
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小説『海のように深く、大地のように温かい』【第6回】天馬 ときわ
勝浦温泉まで新婚旅行。丸くふっくらしたゴマアザラシのような模様の貝を手渡した。
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小説『海のように深く、大地のように温かい』【第5回】天馬 ときわ
宴会の片付けが終わった帰りの山道。月を見ながら好きな女の子への想いをつぶやきながら自転車を漕ぐ
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小説『海のように深く、大地のように温かい』【第4回】天馬 ときわ
磯吉商店は宴会で大忙し!夫を諦め家族、商店を支える妻の思い
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小説『海のように深く、大地のように温かい』【第3回】天馬 ときわ
予約で大忙しの宴会当日に魚の配達に出たきり消えた夫に怒り心頭!
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小説『海のように深く、大地のように温かい』【第2回】天馬 ときわ
喉がカラカラの暑い日に飲むキンキンに冷えたラムネは最高!
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小説『海のように深く、大地のように温かい』【新連載】天馬 ときわ
古き良き時代の城下町、常磐町。この町の魚屋・磯吉商店の物語が今始まる