「え~と! どれにしようかな?」そう言いながら、ナツがふと見上げると、ガラスケースの向こうでは、店員の美しいロシア人少女が、ニコニコしながら、こちらを見て注文を待っている。でも、ハルは、そんなことはどうでもいいようだ。「私は、これと、これと、それと、あれと」「お姉ちゃん、そんなに一人で食べちゃうの~?」「皆で食べて、食べ切れなかったら、持って帰ればいいのよ」「フユは、自分で選びたい」「僕もだよ」…
[連載]北満のシリウス
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小説『北満のシリウス』【第14回】鎌田 一正
1945年8月7日、満州ハルビン。喫茶店で話す日本人家族。「悪い人なの?」「日本人側から見て悪者になったってことでしょう?」
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小説『北満のシリウス』【第13回】鎌田 一正
「日本人への復讐が始まる。」ソ連軍には、兵の暴走を止める規律がほぼ存在しない。そこに中共軍や匪賊が加われば、この満州は…
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小説『北満のシリウス』【第12回】鎌田 一正
「昨日、広島に原爆が落ちた」…部屋の空気が一瞬にして張り詰め男たちの表情は険しくなった
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小説『北満のシリウス』【第11回】鎌田 一正
一瞬でもときめいたことが悔しい!終始こちらを馬鹿にしてきた男に憤りながら、一方で悲しげな瞳が気にかかった…。
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小説『北満のシリウス』【第10回】鎌田 一正
ハンサムだが非常識な男。注意すると…「そういう規則でもあるのか?」
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小説『北満のシリウス』【第9回】鎌田 一正
「かっこいい……」思わずそう呟やかせた『北満のシリウス』と呼ばれた馬賊の頭目
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小説『北満のシリウス』【第8回】鎌田 一正
人種の坩堝・キタイスカヤ街。ハルビン市街全体を見渡せる松浦洋行へ
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小説『北満のシリウス』【第7回】鎌田 一正
男は顔でも肩書でもないのであ~る。ただありのままの私を受け止めてほしいだけ
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小説『北満のシリウス』【第6回】鎌田 一正
妹からの言葉に「付き合ってなんかいないわよ! いい加減なこと言わないで!」と反論
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小説『北満のシリウス』【第5回】鎌田 一正
「お姉ちゃん!もう疲れた!」ハルビンを駆け抜ける日本人の姉弟が向かう先は
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小説『北満のシリウス』【第4回】鎌田 一正
生活が苦しい人も診療所にやってくるが…「医療は、お金儲けのためのものじゃない」
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小説『北満のシリウス』【第3回】鎌田 一正
ファッション最先端の街・ハルビン…少女のような気持ちを持てる“ときめき”
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小説『北満のシリウス』【第2回】鎌田 一正
「そう、ここは日本でも中国でもなく、まさにヨーロッパなのだ!」
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小説『北満のシリウス』【新連載】鎌田 一正
【小説】1945年、未婚の女医が暮らすのは国際都市・ハルビン