除目の御礼のための参内の時、義経は武家としての様式は取らず、宮廷人として衣冠束帯で院に入った、そして牛車を使った。それも八葉の車という華麗なもので、五位以上の官位を持たないと使えない仕来たりがある。早速官位の権利を行使したのだ。認められてはいるが、判官程度の乗り物ではない。相当の行列も設(しつら)なければならない。除目を認めない頼朝への反発がそうさせたのか、単に顕示欲が強いのか。とにかく、法皇は…
[連載]小説 静
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小説『小説 静』【最終回】北山 仁
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小説『小説 静』【第12回】北山 仁
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小説『小説 静』【第11回】北山 仁
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小説『小説 静』【第10回】北山 仁
【小説】歴史上に義経が登場した瞬間。とうとう義仲を討伐し…
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小説『小説 静』【第9回】北山 仁
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小説『小説 静』【第8回】北山 仁
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小説『小説 静』【第6回】北山 仁
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小説『小説 静』【第5回】北山 仁
ただ頼朝の弟という存在…「源九郎義経」鎌倉で反感を買う理由
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小説『小説 静』【第4回】北山 仁
【歴史小説】良い名だ…牛若丸が「源九郎義経」になった瞬間
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小説『小説 静』【第3回】北山 仁
比叡山の麓で…将来を嘱望された、五歳の少女の懸命な修行
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小説『小説 静』【第2回】北山 仁
【小説】かの主従の邂逅。遮那王の前に現れたのは1人の荒法師
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小説『小説 静』【新連載】北山 仁
【時代小説】降りしきる雪の中、幼子二人を伴う女の正体は…