下りは比較的速く歩けた。しかし、岩場や石ころ道での下山は、心と体のバランスが取れなくなって来た。気持ちだけあせるが怪我をしない様に、慎重に下りよう、と自分に言い聞かせながら歩いた。妻はだんだん足が上がらなくなった、とぼやき始めていたが、それでも、衣服はぐしょぐしょになりながら、何とか調子を合わせてくれた。麓まで段々下りて来て、あと少しと言う所だったろうか、今度は、私の爪先が痛くなって来た。下山…
[連載]孫の足音
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エッセイ『孫の足音』【最終回】鈴木 麗次郎
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エッセイ『孫の足音』【第16回】鈴木 麗次郎
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エッセイ『孫の足音』【第15回】鈴木 麗次郎
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エッセイ『孫の足音』【第14回】鈴木 麗次郎
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エッセイ『孫の足音』【第13回】鈴木 麗次郎
銀行員としてのスタート地点。懐かしき街、日本橋・堀留町へ…
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エッセイ『孫の足音』【第12回】鈴木 麗次郎
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エッセイ『孫の足音』【第11回】鈴木 麗次郎
老夫婦猫を飼う。しつけに苦戦するも、猫はやっぱり…
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エッセイ『孫の足音』【第10回】鈴木 麗次郎
たとえ郡が市になっても…人情味溢れる「すべて丸見えの世界」
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エッセイ『孫の足音』【第9回】鈴木 麗次郎
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エッセイ『孫の足音』【第8回】鈴木 麗次郎
これぞ理想の父娘関係。新たな年へと一念発起!
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エッセイ『孫の足音』【第7回】鈴木 麗次郎
「娘二人が結婚」初孫が生まれて大喜びとおもっていたら…
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エッセイ『孫の足音』【第6回】鈴木 麗次郎
フラワーシャワーを盛んに…次女が挙げた「最近流行の結婚式」
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エッセイ『孫の足音』【第5回】鈴木 麗次郎
憧れの「漢詩の世界」へ…飛行機の中で感じた海の色の変化
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エッセイ『孫の足音』【第4回】鈴木 麗次郎
「大丈夫だろうか?」幼い頃から保育所に預けられる孫を見て…
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エッセイ『孫の足音』【第3回】鈴木 麗次郎
糸島に住んで間もない頃…「ある女性」との不思議な出会い
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エッセイ『孫の足音』【第2回】鈴木 麗次郎
震度6「福岡県沖地震」…当時の「意外な様子」を被災者が語る
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エッセイ『孫の足音』【新連載】鈴木 麗次郎
「地震だ!」大きな地鳴りと共に、その日は突然訪れた…