四歳か五歳の頃、戦時中に買ってもらった絵本に、アジアの子供が進駐した日本兵にやさしくされて喜んでいる話があった。妙に印象に残っているのだが、私が生まれた昭和十四年は、領土を広げるべく日本は世界を敵に回して戦っている最中だった。私たちの世代は幼い頃から、植民地やあの戦争を正当化するよう頭に刷り込まれていたのだ。外来語は敵性語として排除される時代でもあった。菊池寛が、これを読むと読まないとでは子供…
新着記事一覧
-
エッセイ『昭和の残り火』【第7回】横山 緝子
転校した私だったが、あんな学校は嫌だと言ってよく泣いた。
-
小説『細孔の先 ―文庫版―』【第3回】芦沢 誉明
記憶喪失になった男。自分の名前すら思い出せないまま…
-
小説『小節は6月から始まる』【第4回】青山 太洋
生活という生き物は、夢も愛も破壊するだけの力をもっている。
-
エッセイ『踊る大ハリウッド』【第9回】元来 渉
ジーン・ケリーが「気乗りしない作品」に出演した理由とは?
-
俳句・短歌『歌集 星あかり』【第52回】上條 草雨
歌集「星あかり」より三首
-
小説『乙女椿の咲くころ』【第3回】倉田 裕美
「自分の勝手や。放っておいてくれ!」…父と叔父の辛い口論
-
エッセイ『生きること 終うこと 寄り添うこと』【第14回】矢野 博文
ベットには食べ残しが散乱…「他人事のように」亡くなった老人
-
エッセイ『「死」から「生」へ』【第21回】三田 徹
戦争時の家や自分の行動が、映像になって瞼に浮かんできた
-
小説『遥かなる花』【第3回】佐々木 祐子
「百合、ちょっと話がある、ここに来なさい」聡順が呼ぶ。
-
エッセイ『HOOD 私たちの居場所 音と言葉の中にあるアイデンティティ』【第22回】新道 有美
In the heart of the city... あと、何分で地下鉄は来るのか。
-
小説『ずずず』【第40回】草間 かずえ
「とっても美味しいよ」アッキー人生初の衝撃的な出来事
-
小説『浜椿の咲く町』【第25回】行久 彬
沙耶の辛い恋愛経験…背中の悲母観音が優しく微笑む。
-
俳句・短歌『歌集 漣の夢』【第20回】上條 草雨
歌集「漣の夢」より3首
-
歴史・地理『受け継がれし日韓史の真実 ─朝鮮引揚者の記録と記憶』【第25回】豊田 健一
自分は日本の国使である。一心同体国開きの大業を成就せよ
-
エッセイ『女タクシー日記』【第3回】一森 ゆかり
女性ドライバーのSOS!勇気を出して助けに入った私は…
-
ビジネス『管理職魂』【第16回】冠 和宏
トヨタ式の「5Why」とは?「スキルなし」で原因分析ができる
-
ビジネス『復活経営 起業して50年 諦めないから今がある』【第23回】上野 俊夫
「昇給分は受け取れません」社長絶句…大ヒット商品の成功譚
-
エッセイ『窓ガラスが鏡に変わるとき-文庫版-』【第3回】島 至
【詩集】「口に出して言わなくちゃ」「君に決めたよ!」ほか
-
小説『駒草 ―コマクサ―』【第15回】水月あす薫(みずきあすか)
【小説】何もみつからないなんて、神隠しにあったみたいですね
-
実用『もし、アドラーが「しゅうかつ」をしたら 』【第7回】長田 邦博
話題になりがちな「承認欲求」・・・あまりにも危険すぎるワケ