百合は全く屈託なくすぐに「はい」と返事して近付いて来た。聡順は自分のすぐ前を指さし、そこに百合を座らせた。「さて百合、お前は幾つになった」「はい、今年のお正月で十歳に相成りました」「うむ、十というのがどういう年齢か分かるか」百合はきょとんとしている。「良く分かりませぬ」「うむ、そうであろうな。よいか百合、十というのは大人になる準備を始める年ぞ」「はい……」「人として生まれたからには、いつまで…
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