電流は通ぜり兄の声聞くと このひとときぞ息のみて待つ

耳にあつる受話器に遠距離感じつつ やがて聞こゆる兄の声待つ

秋日和からりと空きし細枝に 雀二羽きて首振るが見ゆ

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『短歌集 蒼龍の如く』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。