手術とは、1つ1つの工程が、流れるように次に繋がっていくものである。しかし、僕の手術には流れがなかった。とにかく今やっていることに必死で、まるで先の見えない暗闇の中を懐中電灯1つで一歩ずつ進んでいくような手術だった。「もうちょっと小さく掴んでみようか」「はい。あれ?」鉗子の使い方も覚束なく、操り人形にすらなりきれない。「ゆっくりでいいから丁寧にいこう」それでも岡島先生は僕を急かすことなく執刀させ…
新着記事一覧
-
小説『孤独な子ドクター』【第21回】月村 易人
初執刀は悔しい結果に…とはいえ楽しさを感じることもできた
-
歴史・地理『受け継がれし日韓史の真実 ─朝鮮引揚者の記録と記憶』【第2回】豊田 健一
祖父は唖然…上層部に伝えられた「急がされた結婚」の真相
-
エッセイ『リウマチ歳時記』【第19回】山中 寿
「膠原病リウマチ痛風センター」の名称がドンピシャの学会
-
健康・暮らし・子育て『認知症に負けないために知っておきたい、予防と治療法~最新版』【第22回】梶川 博,森 惟明
34の国や地域で承認されている「脳シンチグラフィー検査」
-
小説『アリになれないキリギリス』【第8回】上條 影虎
将太は硬派…喧嘩は強いが、理由なく弱い者をいじめたりしない
-
小説『山田錦の身代金』【第27回】山本 モロミ
殺人事件捜査のキックオフ…鑑識結果も溺死ではなく窒息死
-
エッセイ『泥沼の底から光の射す大空へ』【第7回】さくら
空
-
小説『地平線に─日中戦争の現実─』【第15回】前田 隆平
利発な馬に当たると苦労するぞ。初年兵を馬鹿にするからな。
-
俳句・短歌『歌集 秋津島逍遥』【第47回】松下 正樹
歌集「秋津島逍遥」より三首
-
俳句・短歌『歌集 風音』【第18回】松下 正樹
歌集「風音」より三首
-
俳句・短歌『歌集 忘らえなくに』【第18回】松下 正樹
歌集「忘らえなくに」より三首
-
小説『日出る国の天子』【第24回】三吉 不二夫
記憶や感じたものが薄れる前に、書き留めておきたい直感派
-
実用『ワークスタイル・ルネッサンスがはじまる』【第20回】松久 久也
それは、ビジネスシーンや意思疎通における革命的瞬間だった
-
小説『百年後の武蔵野』【第8回】栗田 哲也
彼女は、女西行と呼ばれた「とはずがたり」の作者を愛した。
-
エッセイ『新・健康夜咄』【第39回】髙山 哲夫
「眠られない…」抗不安薬の処方を求める患者が増えてきた
-
小説『花を、慕う』【第70回】堀田 冀陸
のぞみ薄だと思っていたのだが…突如、舞い込んだ朗報
-
ビジネス『補助金の倫理と論理』【第13回】庄司 進
日本では公私混同という言葉があるように、公私の区別が曖昧
-
小説『愛ラブ猫 I Love Neko』【第3回】山本 十夢,谷口 富
一人ぼっちだ…おじちゃんとおばちゃんにもう会えないのかな?
-
俳句・短歌『地雷の如く』【第36回】馬場 美那子
句集「地雷の如く」より三句
-
エッセイ『音楽のジャポニズム!~考証・三浦環』【第9回】田辺 久之
褒められることに馴れっ子で、声にも自信があった三浦環