私はある思いに駆られ、だんだん声が大きくなった。「私を描いて! 貴方に絵に描いてもらって、永遠に綺麗な私を残して! お願い!」「僕は人物画は描かないよ」「嫌! 描いて!」と私はなかば叫ぶように懇願した。私は直観的に思いついたのだ。結婚しないと決めているこのダンディな男に、生涯、自分の美しさを覚えておいて欲しい。そのためには彼の優れた才能に頼り、絵に描き残してもらうのがいいと。「ヌードかい?」「え…
新着記事一覧
-
小説『愛』【第16回】高見 純代
「私を描いて!」生涯、自分の美しさを覚えておいて欲しい…
-
歴史・地理『受け継がれし日韓史の真実 ─朝鮮引揚者の記録と記憶』【第3回】豊田 健一
大正時代の京城…近代都市へと生まれ変わる歴史。当時の人の声
-
ビジネス『補助金の倫理と論理』【第14回】庄司 進
欧米との違い…個人主義が強固にならなかった意外な背景とは?
-
小説『ショー失踪す!』【第4回】コミ―
流行っていた曲「神田川」に影響されてか分からないが同棲した
-
小説『山田錦の身代金』【第28回】山本 モロミ
他殺された杜氏の…その中に残っていた大きな霜焼けの謎。
-
評論『“発達障害かもしれない人”とともに働くこと』【第15回】野坂 きみ子
発達障害だとわかった人が継続就労できにくい理由とは?
-
エッセイ『音楽のジャポニズム!~考証・三浦環』【第10回】田辺 久之
東京音楽学校には、三浦環の6年前に滝廉太郎が受験していた
-
小説『花を、慕う』【第71回】堀田 冀陸
なくしかけていた希望の灯が、ようやくともった。
-
小説『ずずず』【第6回】草間 かずえ
桜吹雪の中で道路がピンクの絨毯になる光景が、とても好きなの
-
エッセイ『ソートの人生 喜びも怒りも、悲しみさえも、笑え』【第4回】伊藤 信也
優勝賞品「タタミ2畳」を半泣きで背負い帰って行った友人
-
俳句・短歌『歌集 秋津島逍遥』【第48回】松下 正樹
歌集「秋津島逍遥」より三首
-
俳句・短歌『歌集 星あかり』【第30回】上條 草雨
歌集「星あかり」より三首
-
小説『薔薇のノクターン』【第18回】高見 純代
わかっています。私は40歳で死ぬって予感していましたから…
-
エッセイ『霧中の岐路でチャンスをつかめ』【第27回】仲宗根 稔
押しかけ女房ですから…父からは人の2倍働けと言われています
-
エッセイ『多様性に溢れる悠久の国 何でもありのインド』【第8回】上村 英生
魚市場の実情…台の脇に猫や犬が歩いていて、ハエも飛んでいる
-
小説『緋色を背景にする女の肖像』【第38回】阿佐見 昭彦
実は、お前は2歳のときにフェラーラ夫妻から譲り受けた子だ
-
歴史・地理『邪馬臺國は豐國にあり 歴史学と考古学から読み解く⽇本古代史』【新連載】吉武 正一
史書なき時代…「倭人伝」が邪馬台国を解明する唯一の手がかり
-
小説『緋色を背景にする女の肖像』【第37回】阿佐見 昭彦
社交界では、スキャンダルのネタにされる恐れがありました…
-
小説『異世界縄文タイムトラベル』【第43回】水之 夢端
現代にいても縄文時代にいても、僕は相変わらず劣等感の塊だ
-
ビジネス『死体検案と届出義務 ~医師法第21条問題のすべて~』【第18回】小田原 良治
D医師は主に病死を疑い、死体の異状を認識していなかった