それにしても動きづらい。蜘蛛の巣に絡め取られた虫のようになって諦めて脱力すると、くるりと反転し視界が変わった。真下から木々の梢を見上げると、その奥に空がある。さわさわと葉擦れの音が耳元で心地よく聞こえる。密に重なり合った青紅葉の葉っぱの間から漏れて届く午後の陽と空の青さが、目に染みて瞼が重くなる。目を閉じて鳥のさえずりに耳を澄ます。白鳥さんがサッシにもたれてこちらを見ている。「とっても気持ちがい…
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