バーテンダーは無言で頷いて微笑みながらグラスを氷で満たし、ボトルを何種類か取り出しては順々に注いだ。ぱち、と氷が温度差でひび割れる音がした。薄いグラスの縁を唇にのせ、中身を口に含むと、ほのかに甘く、清涼感が体の中央を通り抜けていった。「ごゆっくり」爽やかに一言を添え、新しく向こうの端に一人座った中年の客のほうへ去っていくバーテンダーの後に、少女と二人きりの空間が唐突に現れた。腕に巻き付いた時計に…
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