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「伏見さんも、まかない飯食べるかい?」

二人の会話が止まったところで、仁が声をかけた。

「おう、そうしろ。食ってけ伏見」

「おまえが言うな……」

「人面犬は、伏見さんも飯を食べれば、酒も開けるだろう、そうすれば自分も飲めるって、そう思ってるんだよ(笑)」

「なるほど……図々しい野郎だ。酒は情報と引き換えだろ」

「かてぇこと言うな。勤務中じゃねぇんだろ?」

「まあな。捜査で妖怪と会ってましたなんて言ったら、さすがにクビになっちまうよ。情報屋に話を聞いてたって言えばいいのかもしれないけど、こっち系の仕事は、どうもプライベート感が強くてな」

「いろいろと大変だな、人間は」

「だから……おまえは元々人間なんだから、なんとなく分かるだろ、そういう微妙な感じとか」

「そんな古い話ぁ忘れたよ」

「都合のいい脳みそしやがって……」

「で、伏見さん、飯はどうする?」

「ああ、すみません仁さん。せっかくですし、いただきます」

「よしよし。すぐに用意するよ。今日のは特にうまいよ」

「ありがとうございます。……酒は開けねぇからな、人面犬」

「ちっ……」

「舌打ちするな。カシマレイコについて、もっと深い情報を持ってきたら、やるよ」

「しかたねぇな。まあ、なんとかやってみるさ」

「捜査が難航しているみたいだね」

まかない飯を用意しながら、仁が言った。