目が覚めた。半間の窓の外は薄暗い。部屋の中には座机と段ボール箱以外、何もない。夏生は、一人きりの下宿生活が本当に始まったことを実感した。何をしようが自由だが、何をするにも全て自分で用意をしなければならない。生活の歯車を一つひとつ噛み合わせていかねばならない。薄暗さの中で膝を抱えていると、ザッ、ザッと音が聞こえた。誰かがサンダル履きで歩いている。その音がだんだん近くなると夏生の部屋のドアにはめられ…
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