わたしは紙面をバサバサめくっていったが、突然、ぎょっとした。先週号のいちばんはじめの記事に、ミホの顔写真が載っていたからである。まさか、と思ったが、その意地の悪そうな大きな目はまちがいなくミホで、写真の下に、薬充(やくみつ)ミホ、と名前も出ている。その斜め下には、焼失した縫製第三工場の写真もあった。見出しには、『元女工が涙の告発 城屋の深い闇』とあった。わたしは狐につままれたような気がした。告発…
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小説『透視男』【第10回】上田 晄暉
いよいよ決戦のとき。出社したての課長をつかまえて「内密の話」がありますと囁き…
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小説『善悪の彼方に』【第10回】叶浦 みのり
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小説『弔いの回想録』【第2回】松田 浩一
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エッセイ『神縁』【第2回】塩谷 灯子
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俳句・短歌『神さまの隣』【第2回】桜井 莉麻
「神さまの隣」より六篇~小さくても大きくても、現実でも夢でも、言葉になって誰かに届く~
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エッセイ『ロッキー山脈を越えて[コンテスト特集]』【第17回】亀井 健司
お互いに支え合うボランティア精神がアメリカを作り上げた? アメリカで暮らす人々にとって、ボランティアは欠かせない活動であった。
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小説『巨大鯨の水飛沫 』【第4回】喜田村 星澄
「くじら……」と思ったら跳ねた! 水しぶきが大波と一緒に向かってきて…
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エッセイ『南半球の三日月』【第10回】久富 みちよ
アンネの日記を初めて読んでびっくりした。13歳の子供がこんなに思慮深くなるものだろうか…
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エッセイ『隣る人』【第10回】仲 律子
児童養護施設「光の子どもの家」の施設長の菅原哲男さんの講演を聞いて心に残った言葉「隣(とな)る人」
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小説『インスタント・ストーリーズ』【第7回】紀伊 みたこ
ある朝物音が聞こえて目覚めると「おはよう」とキッチンに立ち、にこやかに挨拶をする夫が立っていて…
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エッセイ『ロッキー山脈を越えて[コンテスト特集]』【第16回】亀井 健司
ホストファミリーとのコミュニケーションには一苦労 時には上手くいかないときも…