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ショウタからの深夜の電話はやはり緊急ではなかったようで、友達宅での飲み会で酔って私と話したくなったとのことだった。都合のよい女と判断されたのか、気を許してもらったのか微妙なところだ。

この前の食事帰りのメッセージについて真意を問うてみたが、「将来結婚したいなら俺はやめとけってこと。俺は悪い男だから」とさらに私を落ち込ませるようなことを言って笑っただけで、それ以上は何も聞くことができなかった。以降、私がそうやって突っ込んだ話を促したからか仕事が忙しいなどの他の理由があったのか、しばらくショウタから連絡が来ることはなかった。

距離が近づいたかと思えば突き放される彼との関係には悩んでいたが、そうはいっても私たちの関係は細々と続いており、私から連絡すれば遅れながらも返信はくるし、たまに二人で食事に行くような仲になっていた。

今日もショウタと食事を終えて外に出ると、季節はしっかりと冬になっており吐き出す息が白い。彼女はいらないと言っていた割に私とご飯は行くし、では下心があるかと言えば今のところ食事のみで解散しているし、彼の本心はわからないままだ。食事中や歩いているときに軽いボディタッチはあるし、道の外側を歩いてくれるし一応女性扱いはされているがそれ以上でもそれ以下でもない。

大学での武勇伝、最近の政治について思うこと、小さい頃の話、地球がどうやってできたかなど内容は多岐にわたっていて楽しいし、随分と打ち解けた自信はあるが私との関係は曖昧なままだった。私自身も今すぐに結婚を考えているわけではないがこれだけ頻繁に会うんだもん、何か進展があってもとか、あわよくば彼氏ぐらいになってくれてもいいじゃないの、と思ってしまうほどには彼に惹かれている。

ところが、距離が縮まったかと思ったら突然バリアを張るように心を閉ざしてしまうような場面はやはり何度かあり、どこにそのトリガーがあるのかわかりかねていた。ちょうど、初めてリサと朝木さんと四人で食事をしたときのような感じだ。

その後しばらくするとたいてい様子は元に戻るが、私の心のもやもやは依然として晴れない。むしろ仲よくなればなるほどに大きくなっている気すらする。