そして凛と仲山の背中を見送ることもなく、惟子はポケットからメモを取り出しながら足早に去っていく。「さて……凛、本当に久しぶりだな。元気だったか?」ぎこちなく笑顔を作って、仲山は明るく娘に声をかけた。凛は口元を尖らせたまま黙っている。その顔を見て、仲山はベンチに置いていたクマのぬいぐるみを手に取った。「凛、ちょっと早いけどこれ、お父さんからのクリスマスプレゼントだ」「何これ、いらない」黄色いコート…
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