【前回の記事を読む】「髪に差したい」――花一輪に恋心を託した若武者。義経が味わった束の間の幸福は、なぜ断たれた?短くはない歳月が過ぎた。九郎の歳も長けて今や平泉を出奔し、後白河法皇の宣旨(せんじ)、鎌倉政権の兄頼朝の下知(げち)のもとで平家追討軍の武将の一人に任じられている。前日の三草山戦では、遠く山向こうの平家陣地まで夜襲を掛ける為に、九郎の指揮のもとで峠道沿いの民家に次々と火をつけて焼き上げ…
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