「ゆるい」姿勢の仕事が、新たなアイディアが生む!?
以前、仕事である国から来日した取引先の方と私の社長との面会の場に立ち会ったことがある。その際、外国の方が小声で言ったのが、「どうして社長さんは怒っているのですか?」という言葉だった。私たち日本人社員から見ればいつもの表情だったが、外国人にとっては堅いまじめな表情が怒りの表情に見えたのだろう。通訳者もそのまま訳すわけにもいかず、気まずい空気が流れた瞬間が忘れられない。
日本の経済は、単に長い時間、我慢をしながら懸命に働けば発展するという段階をすでに過ぎ、いかに付加価値の高い製品やサービスを上手く生み出せるかが重要な段階に来ている。そうした意味で、これからは外国人から怒りの表情に見えてしまうのとは逆に、もっと「ゆるい」姿勢で仕事をするくらいでちょうどよいのではないだろうか。
話は戻るが、逆に短期決戦のような働き方もあり得る。海外の「FIRE」という働き方だ。「Financial Independence,Retire Early」の略だが、簡単に言うとこういうことになる。若いときに懸命に勉強し、高い知識や技能を身につける。そして、高給取りの職を得る。これまたがむしゃらに働き一気に大金を稼ぎあげ、40歳くらいできっぱりと職を離れ、あとは大金の運用で生活するという働き方だ。
とはいえ、全く仕事をしないというのは逆に退屈だから、以前とは違う形で社会との関わりを持つようになるらしい。ビル・ゲイツなどは、そのよい例だ。彼は早期リタイアを目標に働いたわけではないだろうが、「Windows」のマイクロソフト社の大成功で、一生働かなくてもいい資産を得た。といっても、リゾート三昧の生活を送っているわけでなく、いまは「コロナウイルス」のワクチン造りという別の分野で貢献している。
つまり、「人生いろいろ」なのだから、「働き方もいろいろ」であるのが自然なのではないだろうか。