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レッドオーシャン戦略からブルーオーシャン戦略へ
最近ではCRMをさらに発展させた社会起業家が注目されています。
社会起業家とは、さまざまな社会的問題を解決するために、起業家的手法を用いて「社会的事業」(Social Business)を立ち上げ、その事業そのものから利益を生み出すことによって、社会貢献の活動を継続していく人材のことです。
日本の先駆けでは、小暮真久氏が始められたTABLE FOR TWO(TFT)です。2007年NPO法人TABLE FOR TWO Internationalとして創設されました。
指定された健康的な定食や食品を購入すると、1食につき20円の寄付金が、TFTを通じて開発途上国の子供の学校給食になります。20円というのは、開発途上国の給食1食分の金額です。
実は愛知医科大学病院の職員食堂でも、570円(通常のランチは550円)のヘルシーメニューが発売されていますが、570円のうちの20円は寄付金です。支援する側とされる側の双方にメリットがあります。
開発途上国の子供たちと、先進国の私たちが、同時に健康になれる、2つの問題を一挙に解決しようとする仕組みです。
2つの問題を同時に解決する視点が今後の経営戦略としても重要になります。
いくつか例を挙げますと、セブン‒イレブン内にあるセブン銀行は、いつでもどこでも利用できるATMを提供しながら、店の金庫の役割を果たし店員は売上金をATMに収納しています。
フィリピンの貧困と日本人の英語力向上という問題を同時に解決するためにスカイプを利用してフィリピンの貧困層に英語の講師をさせる「ワクワーク・イングリッシュ」なども代表的です。
ホームレスと放置自転車という2つの問題を解決するために、放置自転車を修理して、シェアサイクルとして貸し出し、そのスタッフとしてホームレスを活用した「HUB Chari」なども挙げられます。
今後このように2つの問題を同時に解決する視点が、病院経営戦略の立案にも生かされてくると思います。
プラットホーム戦略
プラットホーム戦略[20]とはどのようなものでしょうか?
多くの関係するグループを「場」(プラットホーム)に乗せることによって外部ネットワーク効果を創造し、新しい事業のエコシステム(生態系)を構築する戦略のことです。
大前研一氏は「21世紀の富はプラットホームから生まれる」と主張しています。プラットホームの好例はクレジットカードです。
ダイナースクラブカードの起源は1949年フランク・マクナマラ氏がレストランで食事(dine)中に財布を忘れたことに気づき、お金を持たずに食事ができる方法がないか? と考えたことに始まります。