水温む二月の島に媼らが 早苗たづさへ田植ゑはじまる
【石垣島】
*石垣島では、一月末から二月はじめにかけて田植えをする。六月には収穫。
冬ながら御嶽(うたき)の森に水色の 紋様の蝶舞ひあそびをり
【新城島(あらぐすくじま)】
*リュウキュウアサギマダラ(マダラチョウ科)。
マングローブの干潟の穴にすむ蟹の 紅き鋏をひらき威嚇す
【西表島(いりおもて)】
*仲間川。
**蟹 ここではベニシオマキのこと。
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
水温む二月の島に媼らが 早苗たづさへ田植ゑはじまる
【石垣島】
*石垣島では、一月末から二月はじめにかけて田植えをする。六月には収穫。
冬ながら御嶽(うたき)の森に水色の 紋様の蝶舞ひあそびをり
【新城島(あらぐすくじま)】
*リュウキュウアサギマダラ(マダラチョウ科)。
マングローブの干潟の穴にすむ蟹の 紅き鋏をひらき威嚇す
【西表島(いりおもて)】
*仲間川。
**蟹 ここではベニシオマキのこと。