俳句・短歌 歌集 四季 2020.08.05 歌集「忘らえなくに」より三首 歌集 忘らえなくに 【第1回】 松下 正樹 四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。 行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。 だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。 過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 コスモスの花の海よりぬけいでし ひともとの花君にてありけり 晩秋の風ゆるゆるとやりすごす コスモスは褪せずわが胸に咲く 幸ひは乙女のほほゑみわが前に コーヒーの熱き香りただよふ
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[人気連載ピックアップ]』 【第2回】 武 さき 「もうあなたを愛せない!」別れを切り出した夜、主人は何も言わず私のベッドに入ってきて... 「明日から行くから」と。私は無視して二階に上がった。主人がシャワーから上がって寝室に入ってきた。主人に背を向け寝ているふり、主人が私のベッドに入って来た。「何!」大声で言い放った。主人は何も言わず私を抱こうとした。「何を考えているの!」「やめて!」主人は人が変わったように無理やりキスをし、パジャマを脱がしている。「放して!」言っても手を止めない。凄い力。初めてだ。首にキスをし、胸をつかんでくる。…
エッセイ 『わたがしに触れたように』 【最終回】 小林 世以子 貴方は私にとって......「わたがしに触れたように。 貴方を見つけたとき 目が離せなかった。」 回る毎日嫌気がさしたらここの鍵を こじ開けておいで。パスワードは君の嫌いな言葉。変わらない毎日吐き気すら覚えたらここの鍵を こじ開けておいで。パスワードは君の嫌いな言葉。だから実は誰でも入れるんだよ。だからごめんね嫌いな言葉が分からないならここには入れないんだ。だってパスワードは君の嫌いな言葉だから。 みんな信じることが大の苦手。あちらこちら 疑ってばかり。もしこの世にカルマがあるとしたのなら何…