絵に描きし母の面わを二人子は
彩消ゆるまで撫でていとしむ
妻も子も前田利家の血筋ゆゑ
潮路を越えて援ありけり
白米の七十俵が届くころ
沖に白帆の立ちて見えくる
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
絵に描きし母の面わを二人子は
彩消ゆるまで撫でていとしむ
妻も子も前田利家の血筋ゆゑ
潮路を越えて援ありけり
白米の七十俵が届くころ
沖に白帆の立ちて見えくる