よるべなき流人といへどふつふつと
胸血のさわぐ三十三歳
八丈島に二人の吾が子をともなひて
置きどころなき情やはらぐ
舟形を作りて祈りし豪姫の
熾しき念ひ海をわたらむ
*舟形 船形光背。仏像の光背で船の形になっているもの。
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
よるべなき流人といへどふつふつと
胸血のさわぐ三十三歳
八丈島に二人の吾が子をともなひて
置きどころなき情やはらぐ
舟形を作りて祈りし豪姫の
熾しき念ひ海をわたらむ
*舟形 船形光背。仏像の光背で船の形になっているもの。