【前回の記事を読む】義父を私と娘に押し付け、自分では話もしない夫…諭すと「その話には触れないで」とブツブツ言って「風呂!」と乱暴に出て行った。いつにも増して幻滅した。

二 葛藤

美幸のページ

いつも物事を穏便に済ましたいと思ってしまう。だから相手も問題を解決したいだろうと思って、矛を収めてくれることを期待してしまう。それは私の悪い癖だ。わかっていても、その気持ちが頭をもたげてくる。それが叶わず傷ついたことが何度もあった。自分のことなのでよくわかっているが、どうしようもない。なにしろ諍いが好きではない。

自分の言い分が正しくとも、先に白旗を上げるのがいつものことだった。それを見て、夫は自分が正しいと勘違いすることが多い。それによりお互いが丸く収まっているのだから、良しとしようと自分に言い聞かせてきた。

そんな私たちの話に、麻衣がテレビを見るふりをしながら聞き耳を立てている。それもいつものことだ。食事が終わると、いつもは自分の部屋に行くのに、私たちに何かあると感じると、居間にいつまでもいる。彼女も私と同じで諍いが嫌いだ。

大学生なのに家の居心地が悪くなることにナーバスになり、すぐ体調が悪くなる。一人っ子なので打たれ弱いのかもしれない。麻衣のこともあり、上手に納めるのが私の役割だと思っている。私も麻衣の表情をいつも見る癖がある。

どこの家もそうなんだろうか。でも今回は私の気持ちが、いつもとは少し違っている。いつかは夫にちゃんと解決してもらいたい。だからけんかをする気はないが、放っておかないつもりである。それは麻衣の想いでもあると感じるからでもある。麻衣も夫が義父との関係を修復することを願っているため、私の後押しをしてくれている。