義父がそばにいる今こそ、夫と義父には少しでも和解してほしい。時間がかかる可能性があるが、あきらめないでジャブを出し続けよう。義父母が弱っていく前に少しでも元のようになりたいと思っているのが夫の本心だろう。そう思っていると信じよう。それが家族というものだから。

翌日からの日常は変わらなかった。特に夫に義父との問題を解決すべきと言ったわけではない。

夫は義父が起きてくると、何も言わず会社に出かけて行った。

「敏は、相変わらず忙しそうだ」と独り言を言いながら、私たちに挨拶をしてお弁当や朝ごはんの話をしている。

夫から暗に「親の話は禁止」というプレッシャーがあるように勝手に感じていた。だからあえて何も言わず、時間が流れるのを待っていた。しかし、そのことが引き金となったのか、気がつくと夫との会話は減っていた。

いつもどおり玄関で見送っても、あまりおしゃべりをしないで会社に行く。帰ってきても、口数が少なくなっている。夫は口数が減っているのを、私のせいにすることが今までもあった。また同じかと勘ぐってしまう。少し期待していただけに嫌な気分でしかない。夫はいつものように、私が白旗を上げるのを待っているようだ。このことでは簡単には折れるつもりはない。

このような小競り合いは夫婦ではよくあることで、どちらかが折れるまで持久戦になる場合が多い。妻が強いので頭が上がらないとぼやく芸能人が多いが、本当にそうなのかは疑問だ。そうやって早めに謝ることで、実は問題そのものを先送りにしている場合もあるだろう。

義父母とのことはずっと先送りにされてきた。私が夫の不機嫌さを解消する白旗を上げないため、家の中は徐々にぴりぴりした雰囲気になっていた。

ついに義父の検査結果を聞きに行く日になった。どちらが結果を聞きに行くか話をしていなかったので、一応有休を取っておいた。朝、夫はスーツを着ていなかった。

「今日お休みを取ったの?」

「当たり前だろう。親の検査結果を聞きに行くんだから」