プロローグ

数日ぶりに雨がやみ、朝焼けが山々を照らしている。こちらに来て、この景色を見ながら豆から挽いたコーヒーを飲む時間が至福の時となっている。太陽が徐々に昇ることで山々の色が変わっていく時間にカウチに座り、イヤフォンでその日の気分に合った音楽を聴きながら深呼吸をする。

「さあ、今日も一日頑張るぞ」と小さくつぶやく。

夫が畑から帰ってきてカウチに座る。

「コーヒーありがとう。コーヒーを飲んでいると、ほっとするよ」穏やかな笑顔を見せている。

「今日は天気が良くなってよかった。父さんと母さんも喜んでいるだろう」

「そうね。浅間山が見えて本当によかったわ」

「コーヒーを飲み終えたら今日の仕事の確認を一応してくる。朝ごはんはその後になると思う」

「了解。あなたが採ってきてくれたレタスときゅうりをサラダにして朝ごはんの支度をするわ。そろそろ麻衣の家族も起きてくるでしょうから」

今日は義父の十三回忌と義母の七回忌を行うことになっている。時間が経つのは本当に早いと感じる。様々なことがあったが、こうやっていることは最初から定められていたようにも今は思えてしまう。

人は誰しも間違いを犯す。それに気がついた時、立ち止まるのか、そのまま行くのかでその後の行き先が変わるのだろう。どこに向かうのが正解なのかは、誰にもわからない。だからこそ、自分の人生を振り返った時、選んだ道に自分自身が納得できるようにしたいと思っている。