【前回の記事を読む】「なぜ役に立たない学問を、病気になるまで続けたのか」…父の死、立ち退き、鬱病を越えた58歳の私が再び夢中になったもの…

5.そして好きなことをしようと決意した。

まず、しっかりした文法書を探し、三回繰り返し読み、動詞の活用も接続法まで一通り暗記した。更に調べてみると、すぐインターネットを通せば、フランス語に触れる機会が山ほどあることが分かった。

以来、YouTubeで「ジュルナル・アンテルナショナル」と「ジュルナル・アフリック」を見るという習慣を、昨年手術をするために入院した数日を除き、一日たりとも欠かしたことはない。

更に、当初、共通テスト英語のリスニング対策で、オンライン英会話の授業を受け始めたのだが、ある日、26歳のアフリカ人の先生が、公用語がフランス語であるコンゴ民主共和国出身だということを知り、思い切って「フランス語で話してもいいか」と訊くと、一瞬表情が止まったが、にこりと笑い「勿論さ」と快く返してくれた。

以来、率先して、このオンライン英会話では、フランス語を公用語とする国の先生を探すことにした。

これまで、主に西アフリカと北アフリカの旧フランス植民地、ギニア、トーゴ、ベナン、セネガル、カメルーン、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、マダガスカル、モーリス諸島の概ね、二十代の先生、アフリカ以外だと大学で仏語か仏文学を専攻し、フランス生活の経験があるセルビア人、ロシア人、ブラジル人の先生などがいた。

残念ながらフランス人は、親が自然を愛し移住したボツワナにそのまま住んでいる、五十代の女性一人だけである。

語学習得に役立っただけでなく、図らずも65歳を過ぎて、世界中の二十代から五十代の外国人と意見を交換することになった。そこで私の得た感想は、人間の考えは、民族、文化、年齢が違っても、驚くほど似通っているものだ、ということだ。

いや、あくまでこれは私の感想に過ぎず、いや決定的に違うと専門家に反論されたら、特に自分の感想に固執しない。

それでも、例えばインターナショナルなニュースなど、大体日本のオールドメディアが取り上げる話題、環境問題、トランプ関税、ウクライナ戦争、ガザでのジェノサイド等が、どこの国でも話題になっていて、更にオールドメディアのステレオタイプな意見通りに話していれば、どこの国の人でも、特に反論しない。