「遅いですよ。光信さん」
先に公園の入り口に来て待っていた高井良が言った。
「ごめん、ごめん。お化粧直しに時間かかっちゃった」
「お化粧直し? デートじゃないんですから。誰がこの夜中に光信さんの化粧を見るっていうんですか」
「失礼ね。分かってるけど、いつ何時イケメンに出会ってもいいように常に準備しておくのが女性の身嗜みですう」
2人が現場近くの広場に行くと、案の定、3人の若者がベンチで煙草を吸ったり酒を飲んだりして屯していた。目の前に立つと、若者達は2人を睨みつけた。
「何だ、てめえ」
「僕達は警視庁の刑事です」
高井良が警察手帳を彼らに見せた。
「あなた達がここであった銃撃事件の第1発見者ですね」
「今さら何の用だ。事件の日に全部話したろうが」
髪を金色に染めた松本が不機嫌そうに言った。
「ええ、もちろんそうなんですが、実は捜査に滞りが出ていましてね。それで証拠を洗い直しているところなんです。もう一度事件の経緯をお聞かせ願えませんかね。ひょっとするとそれが捜査を急展開させるかもしれないんです」
「いいじゃん、俺達の証言で犯人が捕まるかもしれないぜ」
鼻ピアスの柴田が笑みを浮かべて言った。
「でも、この間の刑事達の態度見ただろ」
相変わらず不機嫌な松本が言った。
「じゃあ、俺が説明します」
一番物分かりのよさそうな坊主頭の坂本が口を挟んだ。松本はそっぽを向いた。
「俺らはあの夜もここで酒を飲んでいたんですよ。そしたら午前1時くらいだったかな。ドーンていう音が聞こえたんですよ」
次回更新は9月21日(月)、21時の予定です。
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