【前回の記事を読む】敵の子どもが叫んだ瞬間、衆議院議場は木っ端微塵に…強烈な衝撃波で壁には巨大な穴が開き、私は前庭まで吹き飛ばされ…
サイコ8――リヴァイアサンの暴走
「お母さん、お母さん、どうして分かってくれないの? 僕はお母さんのことが大好きなのに、どうしてこんなに僕を虐めるの?」
肩を震わせて嗚咽する青竜を唖然として眺めていた山口は、涙を拭う彼の灰色の手の甲に黒い鱗が生えているのに気づいた。その黒光りする鱗はあっという間に増えて、首や顔面に至るまで体全体を覆い尽くした。
その時、急に青竜は泣き止んで、代わりにおぞましい笑みを口元に浮かべ、鼻息を荒くして興奮した。
「見たまえ、山口君。これが必然というものだ。私はこの世の全ての憎悪を叩き込まれて復活した。だが、完全体になるには私自身が実体験として憎悪を心に刻む必要があった。
私にとってこの世の中で唯一愛し、愛されるべき母親が私を心の底から憎み、暴力を振るうことによって、私の人間に対する絶望的な怒りと悲しみと憎しみは最大限の力となって完成したのだ。
もう私の中には愛も慈悲も憐れみすら存在しない。私は純粋な恐怖となって地上に君臨するのだ!」
そう叫んだ途端、着ていたスーツは引きちぎれ、青竜は人間の形を捨て、竜の姿に変身し、ものすごい勢いで巨大化していった。
山口は慌てて逃げ出そうとしたが、一瞬で巨体に踏み潰されてしまった。
竜の巨大化はやむことを知らず、議事堂全体を破壊して踏み潰し、頭が雲をかすめるほどの大きさとなった。