【前回記事を読む】部屋に入って驚いた。窓がない。寝るだけの小さいベッド、そして天井までレンガ。独房のようだったが、横になれるだけでありがたい。

2 スウェーデン・ストックホルム

9時30分過ぎ「独房」より脱出。

顕治は確実にチューリッヒに移動するためにアーランダ空港に向かった。16時20分出発だが、とにかく空港のトラブルは時間がかかる。今日1日は移動に専念することにした。

チェックインカウンターの場所が変更されていた。二つ目の荷物の扱いについて、機内にするか荷物預かりにするか時間がかかった。そしてやっと搭乗券をもらえた。

ストックホルム・アーランダ国際空港は北欧の玄関口としてヨーロッパへのアクセスが良好な空港で、年間利用者数は3千万人、羽田空港は8千7百万人とあった。日本は空港も過密状態にある。

顕治は予定時刻20分前に待ち合わせ場所に向かった。

遠目でもモデルのように均整のとれたチピタの姿を見つけることができた。本当に来てくれた。

「チピタ、わざわざ呼び出したりして、チピタの旅行の計画を狂わせてしまったかな」

「大丈夫です! 顕治さんに再会できてよかった、コロナを打ち負かしたんですね」

「いやぁそう言ってくれるとかっこいいけれどゆとりなく、チピタがついていてくれたから頑張れた。なんとしてもあなたと一緒に旅をしたいと思ったからね」

「それはうれしいわ! 私も回復したという顕治さんからの知らせを今か今かと待っていたんですよ」と、二人の会話は再会の喜びと顕治の回復で明るい笑いに包まれていた。

顕治は、チピタにこれからやってほしいことをお願いすることにした。

「僕はこれからチューリッヒに発ちます。18時45分チューリッヒ着後、今度の宿泊先はスイス、チューリッヒ湖の近くのナディーンさんという家です。また到着したらその宿泊場所の住所を知らせるね」

「次はスイスなのね! 楽しみだわ」