「それでお願いなんだけれども、コロナのおかげでストックホルムでの見学ができなかったところをチピタに見てきてほしいのね。チピタの見た感想などを聞きたい」
「それはおもしろいわ。二人で違った場所を旅するという新しいやり方ね。おもしろい! 私も思いきり楽しめそう」とチピタは答えた。
顕治はチピタが何でも自分のことを聞いてくれてそれを楽しんでいるように思えたが、チピタに言った。
「チピタ! あなたは無理をしていないか。僕の勝手な要求に気持ちよく受け入れてくれる。あなたの予定とバッティングしていたらあなたの旅程を優先してね」と言った。
「顕治さん大丈夫よ、当てもなく旅を楽しんでいるのだから、その旅を共有できる人がいるだけでおもしろさが倍増するように感じるわ。遠慮しないで顕治さんのやりたいことどんどん言って」とチピタは答えた。
「それでは3カ所お願いします」と顕治は次の3カ所をあげた。
一つ目はウプサラという街。
顕治は最近めまいがするので耳鼻科に通っている。その耳鼻科の先生は気さくで診察しながらも患者との交流を楽しんでいた。
今回の旅行の話をしたら、懐かしそうにウプサラというところで学会があったとお話ししてくれた。先生に関係する地を知ってみたい。
二つ目はヨーテボリ。
顕治がビルギットとの再会を約束した場所ヨーテボリ、スウェーデンの西に位置する場所で、そこまでの電車の旅も楽しみにしていた。
三つ目は墓地。
墓地はその国ならではの聖なる場所だ。そこに眠る人にご挨拶したい。その一つに花を手向けたい顕治の今回の旅は「人類ホモ・サピエンスに出会う旅」とした。
世界中の人たちは共通して必ず死んでいく。そのお墓はそれぞれの国で違う。それを知りたい。
「わかりました。私も楽しめそう。私の目で見たことを話せばいいのね」