賽子の足元に割れたキャノピーから飛び出した八重沢の頭がゴロゴロと転がってきた。彼はかっと目を見開き、彼女を睨みつけ、テレパシーで語りかけた。

 

――これで終わったと思うなよ。総裁が必ずきさまを罰してくれる。俺の代わりにな。

 

賽子が八重沢の頭をサッカーボールのようにポンと蹴飛ばすとそれは燃え盛る炎の中に落っこち、灰と化していった。

賽子はおもむろに西須の方へ歩み寄った。

「おまえの力を借りずとも私なら一瞬で奴を葬れたものを。余計なまねをしやがって」

 

――相変わらず負けず嫌いだな。おまえを倒すのは僕だけと決めていた。だが、それももう無理そうだがな。

 

西須はテレパシーで返事をして、コンビナートの上に広がる薄曇りの空を見つめた。

 

――空を見ているといつもカムイミンタラでおまえと駆け回っていたことを思い出すよ。

親から化け物扱いされて捨てられた僕にとって、おまえだけが家族と呼べる存在だった。

今思えば、あの時が最も幸せな時間だったかもしれない。

 

「……」

 

――賽子、青竜を倒せ。奴が目指しているのは革命などという生易しいものではない。地上の全てを焼き尽くすことだ。

僕は道を間違えたが、おまえはおまえの道を進め。人類を救ってくれ。

最後にもう一度、あの山に戻りたかったな……。

 

西須は静かに目を閉じた。彼は本来の黒焦げの死体に戻った。

賽子は彼の遺体を静かに見下ろしながら呟いた。

「悠雅、しばらくここで待っていろ。おまえは必ず私が弔ってやる。だがその前に一仕事片付けてやらねばな」

賽子は後ろで呆然と立っていた二人を振り返り言った。

「鍬下、国会議事堂に引き返すぞ。バナナ、おまえもついてこい。私の最後の戦いを見届けるんだ」

「サイコ7――コンビナートの決闘」終わり。「サイコ8――リヴァイアサンの暴走」に続く。

 

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神社の地下20階から、黒焦げの遺体が10数体見つかった…宮司は行方不明。全焼した社務所の下に広がる“巨大施設”の正体は……

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